中枢の命令によらない要素同士の相互作用の集積(意図が不在であり還元不能)によって、全体として特異的なシステムが生み出されるというのが創発という言葉の肝となる。
個人においては経験や学習などで蓄積された知覚情報がマルチモーダルネットワークという要素同士のつながりという相互作用にて知識が生み出されそれによって認知的変化(学習)を引き起こす。コミュニティとその延長線上にある組織においてはまさに人と人のつながり(疎通ネットワーク)によって発見や発明が生まれる。これらはいずれも創発過程なのである。ゆえに、創発は個人においてもコミュニティにおいても極めて重要な自然の挙動なのである。